男性の眼瞼下垂の原因・特徴と予防・改善法
「最近まぶたが重く感じる」「視界が狭くなった気がする」とお悩みではありませんか?
目の開きが悪くなる眼瞼下垂は、加齢とともに多くみられる症状です。
この記事では、男性の眼瞼下垂の原因や症状、治療法について詳しく解説します。
さらに、切る治療と切らない治療の特徴や、保険適用・自由診療の選択肢について、ご自身に合った方法を選ぶためのポイントをお伝えします。
快適な視界と若々しい印象を取り戻すため、ぜひ最後までお読みください。
もくじ
男性の眼瞼下垂とは
眼瞼下垂とは、上まぶたが十分に持ち上がらず、目の開きが悪くなる状態を指します。
眼瞼下垂の主な原因として下の2つがあげられます。
・腱膜性眼瞼下垂
・上眼瞼皮膚弛緩症
「腱膜性眼瞼下垂」は、上眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる役割を担う筋肉)と瞼板(まぶたの中にある板状の軟骨)をつなぐ挙筋腱膜やミュラー筋がゆるみ、筋肉の力が十分に伝わらなくなることで発生します。
「上眼瞼皮膚弛緩症」は、まぶたの皮膚が加齢とともにたるみ、目を開いていても皮膚が覆いかぶさることで視界を遮る状態です。
その他、以下のようなものが原因となる場合もあります。
・過去のまぶたへの外傷
・眼科手術の既往歴
・神経や筋肉の病気
例えば、「重症筋無力症」や「動眼神経麻痺」などが原因で、まぶたを持ち上げる筋肉の機能が低下して眼瞼下垂の症状を呈しているケースもあります。
これらの病気の鑑別には、専門医による詳細な診断が必要です。
気になる症状があれば早めに専門医の診察を受けましょう。
男性の眼瞼下垂の症状
眼瞼下垂は、日常生活に様々な影響を及ぼします。
眼瞼下垂の主な症状5つについて、以下に解説していきます。
目を開けにくい
眼瞼下垂の最も顕著な症状は、まぶたが重く、目が開きにくくなることです。
二重幅が広くなるケースもあります。
視野が狭くなる
眼瞼下垂が進行すると、上まぶたが垂れ下がることによって、黒目の上部を覆う可能性があり、特に上方向の視界が狭くなり、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
例えば、機械の作業中や運転時に視界の制限を感じるなど、注意力を要する場面でリスクが高まる可能性があるでしょう。
スポーツの際にも、周囲の状況を把握しにくくなり、パフォーマンスの低下や怪我のリスクが高まる恐れがあります。
額にシワができやすい
眼瞼下垂の影響でまぶたが十分に開かない場合、無意識に額の筋肉(前頭筋)を使ってまぶたを上げようとする傾向があります。
この動作が続くと、額に深いシワが刻まれやすくなります。
特に年齢を重ねるにつれて額のシワは定着しやすくなり、老けた印象を与える原因となるでしょう。
頭痛・肩こりを引き起こす
眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げるために目の周囲や額の筋肉を過剰に使い、頭痛や肩こりの原因となる可能性があります。
また、視界を確保しようとして顎を上げる姿勢が続くと、首や肩の筋肉に負担がかかり、肩こりや首の痛みにつながります。
うつ、慢性疲労を引き起こす
眼瞼下垂になり、まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋の働きが低下すると、代わりにミュラー筋が過剰に活動するようになります。
ミュラー筋は交感神経の働きによって動くため、常にこの筋肉が緊張している状態が続くと、自律神経のバランスが崩れやすくなるでしょう。
交感神経の働きが活発になる結果として心身の緊張が続き、慢性的な疲労感・不眠・うつ症状等を引き起こす可能性があります。
男性の眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂には、後天性と先天性があります。
後天性眼瞼下垂の場合、多くは「年齢による筋肉や皮膚の機能低下」と「生活習慣や紫外線の影響」が複合的に作用して進行すると考えられています。コンタクトレンズを装着されている方も起こりやすいと言われています。
加齢
年齢を重ねると、まぶたを持ち上げる筋肉である眼瞼挙筋の力が低下を招いたり、筋肉とまぶたをつなぐ挙筋腱膜が緩みやすくなります。
その結果、まぶたが正常に引き上げられず垂れ下がります。
また、皮膚自体の変化もあります。
年齢とともにコラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つ成分が減少するため、皮膚がたるみやすくなります。
さらに、重力の影響でまぶたの脂肪が下に移動すると、たるみが助長されます。
紫外線や乾燥の影響
紫外線や肌の乾燥は皮膚老化の一因と考えられています。
特に男性の場合、紫外線対策やスキンケアへの意識が女性より比較的低いため、皮膚の老化が進みやすい傾向の方もいるでしょう。
肌を出来るだけ守るためには、日焼け止め・帽子・サングラスなどによる紫外線対策と、化粧水・乳液などによる洗顔後の保湿がおすすめです。
コンタクトレンズの長期間使用
コンタクトレンズを長期間使用していると、装着や眼瞼の開閉の際などに負担がかかり、挙筋腱膜が伸びてしまう可能性があります。
コンタクトレンズの影響を最小限に抑えるために、装着時間の短縮がおすすめです。
まぶたの皮膚への摩擦
目を頻繁にこする習慣や洗顔時の過度な摩擦が、上眼瞼挙筋や挙筋腱膜にダメージを与え、眼瞼下垂の発症を早める可能性があります。
特に花粉症の人は、目のかゆみによる摩擦が眼瞼下垂の原因になり得るので、目薬や花粉症用のゴーグルなどの対策によって、目をこする癖の改善が大切です。
汗や洗顔後の水気を拭き取る際には、タオルでこするのではなく押さえるよう、優しく拭き取りましょう。
パソコンやスマホの長時間使用
長時間のデジタルデバイスの使用は、まばたきの減少や目の酷使を招き、眼精疲労を引き起こします。
まぶたを持ち上げる筋肉が疲労すると眼瞼下垂の進行を早める可能性があります。
パソコンやスマホの使用時には適度な休憩をはさんで、目の負担を軽減するようにしましょう。
先天性眼瞼下垂
先天性眼瞼下垂は、生まれつき上眼瞼挙筋の発達が不十分で、まぶたが開きにくい状態です。
小児検診の際に指摘される可能性が高く、両側性と片側性があります。
眼瞼下垂の予防法
眼瞼下垂を予防するには、以下のことに気を付けましょう。
・まぶたをこすらない、掻かない
・タオルで拭くときは優しく押さえるようにする
・ハードコンタクトレンズの装用時間を短くする
・ハード→ソフトコンタクトレンズへの変更を検討する
・パソコンやスマホを長時間見つめない
・紫外線対策、保湿をしっかりと行う
日々の生活習慣を見直し、眼瞼下垂のリスクを減らしましょう。
眼瞼下垂の治療法
眼瞼下垂の治療法には、切る治療と、切らない治療があります。
切る治療
「挙筋腱膜前転法」は上眼瞼挙筋の動きの伝導をスムーズにし、まぶたの開きを正常にする方法です。
二重のライン上で切開し、緩んだ挙筋腱膜を瞼板に固定します。
まぶたのたるみがある場合は、たるんだ皮膚も同時に切除しますので、ぱっちりした印象の目になることが期待できます。
切る治療の場合、半永久的効果が期待できることがメリットといえるでしょう。
切らない治療
切る治療を避けたい方には、切らずに行う治療法(埋没法・切らない眼瞼下垂)も選択肢の1つです。
この治療法では、まぶたの裏側から極細の糸を通しミュラー筋と上眼瞼挙筋腱膜を縫い縮めることで、まぶたの開きを改善します。
皮膚を切開しないため、表面に傷が残らず、ダウンタイムが短いのが大きなメリットです。
一方で、皮膚のたるみが強い場合や、重度の眼瞼下垂には適応しにくい場合があり、効果が限定的となる可能性があります。
また、時間とともに糸が緩んだ場合、後戻りしてしまう可能性があります。
そのため、どちらの治療法を選択するかは症状・ライフスタイル・希望するダウンタイムの長さなどを考慮しながら、医師と相談して判断してください。
眉下切開との違い
眉下切開法は、眉の下部分の皮膚を切除し、まぶたのたるみを改善する施術です。
上眼瞼挙筋には影響を与えず自然な仕上がりが期待できるため、皮膚のたるみが原因で目が開けにくい方に適しています。
眉下切開法の施術は局所麻酔で行われ、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。
一方で、上眼瞼挙筋の機能低下や挙筋腱膜の弛緩が原因の場合には効果が薄いため、最適な施術については医師とよく相談する必要があります。
保険適用・自由診療の違い
眼瞼下垂の治療は、保険適用と自由診療の2つの方法に分かれます。
美容的な仕上がりを重視する場合には自由診療、視野の改善など機能的な改善が目的であれば保険適用の治療が適しています。
まずは医師によるカウンセリングを受け、ご自身に合った治療方針を相談してみましょう。
保険適用の治療 | 自由診療の治療 | |
主な目的 | 視野の改善(機能回復) | 視野の改善+美容的な見た目の向上 |
適用条件 | 医学的に必要と判断された場合(視野障害など) | 患者の希望に応じて実施可能 |
適応症例 | まぶたが黒目にかかり、視野に影響がある場合 | 軽度の下垂、左右差改善、デザイン調整なども対応 |
費用 | 健康保険適用(1〜3割負担) | 全額自己負担(10割負担) |
対応できる治療法 | 切開による手術 | 切開法、切らない眼瞼下垂 |
美容仕上がりの配慮 | あまり重視しない | 二重幅、目の形など希望に応じた調整が可能 |
傷跡・仕上がり | あまり重視しない | 傷跡が目立ちにくい手法やデザイン調整が可能 |
カウンセリング対応 | 限定的(診断中心) | 丁寧なカウンセリングとデザイン相談が可能 |
対象クリニック | 保険診療対応の医療機関 | 自由診療専門クリニック(当クリニックなど) |
眼瞼下垂の施術は高度な技術と知識を必要とするため、クリニック選びは非常に重要です。
特に「傷を綺麗に治す」プロである形成外科専門医の資格を持つ医師を選ぶことを強くおすすめします。
眼瞼下垂の改善を希望される方は、視野の改善だけでなく顔の印象の改善を望まれる方も多くいます。
美容医療による眼瞼下垂の施術は、美容的な見た目の向上をしたい方におすすめです。
眼瞼下垂手術の流れとリスク・副作用
眼瞼下垂手術の流れとリスク・副作用を解説します。
眼瞼下垂手術の流れ
眼瞼下垂の施術は、切開法・埋没法に関わらず、まずはカウンセリングからスタートします。
1.医師が丁寧に診察を行い、まぶたの状態や希望する仕上がりについてヒアリングしながら、鏡を使ってシミュレーションを行います。
2.仕上がりのイメージを共有しながら、切開位置や糸を止めるポイントなどを決定します。
3.施術時は、点眼麻酔や局所麻酔を使用して痛みを最小限に抑えて治療を進めます。必要に応じて笑気麻酔の選択も可能です。
4.治療後は目元を冷やして腫れを抑え、医師より術後の注意点を丁寧に説明して終了です。
眼瞼下垂手術のリスクと副作用
術後は腫れやむくみ、内出血が起こることが多いですが、通常は1~3週間ほどで徐々に改善していきます。
まとめ
今回の記事では男性の眼瞼下垂に焦点をあてて、症状や原因、治療法について解説してきました。
眼瞼下垂は、加齢や生活習慣、先天的な要因などによって発症し、視界の制限や目元の老化、頭痛や肩こりなどの症状を引き起こす可能性があります。
さらに、眼瞼下垂は見た目の変化にもつながるため、精神的な影響も無視できません。
まぶたが重く垂れ下がることで、以前より老けて見られたり、疲れているように見えたりする傾向があります。
症状が進行する前に、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けるのがおすすめです。
プライベートスキンクリニックでは、自由診療での治療を行っており、一人ひとりの希望に沿った施術を提案させていただきます。
疑問や不安な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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よくあるご質問
Q.眼瞼下垂は自然に治ることがありますか?
A.眼瞼下垂は、自然に改善することはありません。
症状が進行する可能性があるため、早めに専門医に相談することをおすすめします。
Q.20代、30代など若くても眼瞼下垂の手術は可能ですか?
A.はい、可能です。
加齢と共に症状が進行していく可能性があるため、年齢に関係なく、症状が進行している場合は適切な治療を受けることが重要です。
Q.眼瞼下垂手術の効果はどれくらい持ちますか?
A.切る施術の場合、効果は半永久的に持続することが期待できます。
切らない施術の場合、糸が緩んだり外れた場合、元の状態に戻ります。
患者様の目の状態やライフスタイルによって、施術方法は変わるため、まずはお気軽にクリニックへご相談ください。
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受付時間 10:30〜19:00 (完全予約制)
この施術ページの監修医師
優聖会院長安形省吾
患者様とのコミュニケーションを大事に、安心・納得していただける施術を心がけております。

患者様とのコミュニケーションを大事に、安心・納得していただける施術を心がけております。
所属
- 平成14年
- 大阪医科大学医学部医学科:入学
- 平成22年
- 大阪医科大学付属病院 形成外科学教室:入局
- 平成23年
- 守口敬任会病院:入職
- 平成25年
- 東住吉森本病院:入職
- 平成27年
- 大阪医科大学付属病院 形成外科学教室:入職
形成外科専門医取得
助教就任
- 平成28年
- 東住吉森本病院:入職
- 平成30年
- プライベートスキンクリニック:入職
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- 一般社団法人日本創傷外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医