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制汗剤は使わない方がいいってホント?

わきが・多汗症

制汗剤は使わない方がいい?
日常生活の中で「自分のニオイが気になる…」「シャツに汗じみが出て恥ずかしい…」と悩んだ経験はありませんか?
制汗剤で汗やニオイを対策している方も多いですが、一方で「制汗剤は使わないほうが良い」という噂も耳にすることもあるでしょう。
そこで本記事では、汗とニオイのメカニズムを解説し、制汗剤を効果的に使う方法やデメリットを紹介します。
後半では、クリニックによる汗やニオイの治療法についても紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

制汗剤を使わない方がいいのか?

制汗剤には、汗やニオイを防ぐために様々な成分が含まれており、これらの成分に直接的な悪影響はないと言われています。
ただし、誤った使用方法や過剰な使用は皮膚トラブルを起こす可能性があります。
制汗剤を使用する場合は、正しい使用方法を理解し、適切な汗やニオイの対策が重要です。

汗とニオイのメカニズム

汗とニオイのメカニズムを理解することが正しい対策の第一歩です。

以下にて、詳しく解説していきます。

人が汗をかく理由

汗は、体温調整をするために非常に重要な役割を果たしています。
気温が高くなったとき、人は汗を分泌し、その蒸発による気化熱で体温の過度な上昇を防いでいます。
汗を出すための小さな穴を汗腺と言い、「エクリン腺」と「アポクリン線」の2種類があります。
エクリン汗腺とアポクリン汗腺の図

エクリン腺とは

エクリン腺は体全体にある汗腺です。
エクリン腺から出る汗は主に水分と塩分でできているため、汗はほぼ無臭と言われています。

アポクリン線

アポクリン線はワキの下やデリケートゾーンなど、体の一部のみに存在する汗腺です。
アポクリン線から出る汗は脂質やタンパクを含むため、ニオイの原因となります。

良い汗・悪い汗

汗には「良い汗」と「悪い汗」の2種類があります。
「良い汗」は体温調整のために出るサラサラの汗で、「悪い汗」は汗腺の機能が低下している時に出るベタベタの汗です。
この違いはミネラル(塩分)の再吸収が関係しています。
体温が上昇すると、汗をかいて体温を下げるために、血液から水分とミネラルを汗腺に取り込みます。

良い汗:ミネラルが血液中に再吸収され、水分だけが汗として皮膚上に出てくる
悪い汗:ミネラルの再吸収が行われず、ミネラルを含んでいるためベタベタとなる
サラサラの「良い汗」をかくためには、汗腺の健康を保つことが重要です。

ニオイを発する原因

実は汗そのものにはニオイはないと言われています。
汗によるニオイの原因は、皮膚上に存在する「常在菌」と呼ばれる菌が関係しています。
この常在菌※が汗に含まれる皮脂やタンパクを分解する際に、ニオイの原因となる物質を作りだすのです。
ワキ汗やデリケートゾーンには、皮脂やたんぱくを含む汗が分泌されるため、ニオイやすい部位です。
これらのニオイを抑えるためには、皮膚を清潔に保ち、菌の増殖を防ぐことが大切です。
※「常在菌」とは常に皮膚に存在している細菌(微生物)[1]。
汗によるニオイの原因について解説する女性医師

制汗剤を効果的に使う方法やデメリット

制汗剤は、正しく使用すれば問題ありませんが、もちろんデメリットもあります。
ここでは制汗剤の成分と作用、使用時の注意点について解説します。

制汗剤を効果的に使う方法

制汗剤は、汗とニオイを抑える便利なアイテムですが、効果を正しく理解した使用が重要です。
制汗剤には汗の量を抑える「制汗作用」と、ニオイの原因となる殺菌の増殖を防ぐ「殺菌作用」の2つの効果があります。
これにより、汗やニオイを効果的に抑えることが可能です。

制汗作用殺菌作用
汗の出口をふさいだり、肌を引き締めて汗の分泌を抑制皮膚上の細菌増殖を抑え、ニオイの原因となる物質の生成を防ぐ

過剰に制汗剤を使用すると毛穴の詰まりや汗腺の機能低下につながる可能性があります。
制汗剤は、使用前に使用する部位を洗ったり拭いたりして清潔にしてから、使用すると効果をより引き出せるでしょう。

制汗剤のデメリット

一方で制汗剤には、次のようなデメリットがあります。

・肌荒れを引き起こす場合がある
・使い過ぎで皮膚が乾燥するリスクがある
・殺菌効果が強力すぎるとわきのニオイが強くなる場合がある

制汗剤に含まれる成分が肌を刺激し、赤みやかゆみを引き起こす可能性があります。
また、制汗剤を頻繁に使用すると皮膚が乾燥し、肌のバリア機能が低下する可能性も考えられるでしょう。
さらに、殺菌力の強すぎるデオドラント剤を頻繁に使用すると、皮膚上の常在菌まで減少させる恐れがあります。
その結果、皮膚の免疫が下がり、悪玉菌やカビが発生しやすい環境になり、ワキのニオイが強くなる可能性があります。
制汗剤のデメリットを理解し、適切な量と頻度を守った使用が重要です。

制汗剤を使わないニオイ対策4選

ここでは、制汗剤に頼らない日頃から実践できる汗・ニオイ対策を紹介します。

食生活の改善をする

食生活の乱れは、体臭を強める原因となります。
ジャンクフードや脂質の多い食事ではなく、3食バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
以下の体臭を抑える効果がある食材を取り入れることもおすすめです。
アルカリ性食材(野菜、海藻、きのこ):酸性に傾いた体内を中和し、体臭の原因物質を抑制
腸内環境を整える食材(めかぶ、もずく、納豆):腸内循環を良くし、ニオイ物質の蓄積を抑制
バランスの取れた食事をする日本人男性
逆に、肉類やにんにく、アルコールは過剰に接種すると体臭を強めるとも言われているため、取りすぎないようにしましょう。

天然素材の衣類にする

ニオイが気になる方は、衣類の素材選びの見直しも効果が期待できます。
ニオイを抑えるためには、吸収力と吸着力がある以下の「天然素材の衣類」がおすすめです。

・綿100%
・シルク
・リネン(麻)

上記の素材を使った衣類は、汗をしっかり吸収し、ニオイを軽減できる傾向があります。
逆に、「ナイロン」「ポリエステル」「アクリル」「ポリウレタン」といった化学繊維の着用は避けましょう。
汗がインナーに吸収されず皮膚表面に残るため、皮膚に菌が繁殖しやすくなり、ニオイの原因となります。
また、衣類は肌の密着が多いインナー(肌着)の見直しによって、改善効果が期待できます。

日頃から汗をかくようにする

日常的に汗をかかない生活を送ると、汗腺の機能が低下し、汗の質が悪くなると言われています。
日頃からの適度な運動によって汗をかき、汗腺の働きを活発にしておきましょう。
汗をかきやすい体質になるために、以下を心がけてください。

・こまめな水分補給をする
・適度な有酸素運動を行う
・サウナや半身浴を行う

汗をかきやすい体質になると、汗腺が活性化し、汗をかいたときにミネラルが血液に再吸収されやすくなります。
これにより、水分のみを含んだ汗をかけるようになるため、汗のニオイの改善が期待できます。
公園でランニングをする日本人男性

クリニック・医療機関を受診する

上記で解説してきた対策を行ったとしても、十分な効果が得られない場合があります。
早期の改善や根本的な改善を望むのであれば、クリニックへの受診を検討しましょう。
専門医の診断を受けることで、原因の特定や適切なアドバイス、治療法を提案してもらえます。
自分でできる対策で改善が見られない場合は、医療機関への受診によって、より効果的なニオイ対策が期待できます。

わきのニオイを根本的に解決する2つ治療法

ニオイや汗の悩みを根本的に解消したい方には、医療機関で受けられる以下で紹介する治療法がおすすめです。

ワキボトックス

ワキボトックスとは、ボトックス注射を用いて汗腺の働きを一時的に抑える治療法です。
ボトックスをワキに注入すると、汗の分泌を促進するアセチルコリンの分泌を抑制し、発汗の抑制が期待できます。
ワキに注射を打つだけなので、傷跡も残りにくく手術に抵抗がある方にもおすすめの治療法です。
ワキボトックスには、以下の特徴があります。

・施術時間が10分と短い
・ダウンタイムが少ない
・1回の費用が比較的安価

施術後1〜2週間程度で徐々に効果が出現し、数ヵ月〜半年程度、過剰な発汗を抑制できるでしょう。
また、緊張性の発汗がある方も、施術を行った安心感から改善できる可能性もあります。

ミラドライ

ミラドライは、マイクロ波を利用して汗腺自体を熱エネルギーによって破壊する治療法です。
5.8GHzのマイクロ波でニオイの原因であるアポクリン腺だけでなく、汗を出すエクリン線の両方にアプローチします。
ワキのニオイとワキ汗のどちらにも効果が期待できる施術です。
ミラドライには、以下の特徴があります。

・汗とニオイの原因を直接破壊できる
・効果の持続効果が長い
・切開を必要としないため、傷跡が残る心配がありません。

ワキボトックス・ミラドライがおすすめな人

ここでは、ワキボトックスとミラドライの治療がおすすめな方の特徴や効果について、詳しく紹介します。

ワキガを治したい人

ワキガを治療したい方は、ミラドライによる治療がおすすめです。
ミラドライは、汗腺自体をマイクロ波による熱エネルギーで破壊することで、過剰な汗やニオイを根本から治療するため、市販の制汗剤では感じられない効果が期待できます。
治療によって、ワキガ特有のニオイが原因で、周囲の人間関係や自己評価に影響を与えている方も自信を持てるようになるでしょう。

慢性的にワキの汗に悩まされている人

ワキボトックスやミラドライの治療は、慢性的にワキの汗に悩まされている人にもおすすめです。
下記の悩みを持つ方は、一度治療を検討してみてはいかがでしょうか。

・既に制汗剤を使用しているが、一時的な効果しか感じていない方
・仕事中に通勤時に汗が止まらず、服に汗ジミが出る方
・「ワキの汗臭さに気づかれるのでは」と心配になる場面がある方

特にワキボトックスは、施術時間が10分と短く、施術後1〜2週間程度で徐々に効果が出現し、数カ月〜半年程度汗を抑えられるため、手軽に受けられる治療です。

長期的に効果が続く治療を探している人

長期的な効果を求める方には、ミラドライがおすすめです。
ミラドライは、汗腺(エクリン腺・アポクリン腺)自体を熱エネルギーによって焼灼するため、一度の施術で半永久的効果が持続します。
制汗剤の使用や、様々な対処方法を試しても一時的な効果しか見込めない場合は、長期的に効果が期待できるミラドライを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、汗とニオイのメカニズムを解説し、正しい対策方法を紹介しました。
「食事の改善」「衣類の見直し」「日頃から汗をかく」などの対策が汗やニオイの改善には大切です。
しかし、汗やニオイは一度に全て改善できるものではありません。
もし、改善が見込めない場合は、ワキボトックスやミラドライといった医療の力を検討してみてはいかがでしょうか。
プライベートスキンクリニックFor Menでは、事前に医師による丁寧なカウンセリングを行い、一人ひとりに合った最適な治療プランを提案させていただいております。
暖かい部屋の中や電車の中、緊張した際など、冬でも汗をかくシーンは多くあります。
汗のニオイやワキガにお悩みの方は、ミラドライ認定医在籍の当クリニックまでお気軽にご相談ください。

#制汗剤 #ワキガ #ワキ汗

よくある質問

制汗剤の使用について、患者様からよくいただく質問をご紹介します。

Q.制汗剤はワキガになりますか?

A.制汗剤の使用がワキガの直接的な原因になることはありません。
しかし、過剰使用すると毛穴が詰まりやすくなり、汗腺の機能低下につながる可能性があります。
また、過度な使用は、ワキガのニオイを強くする可能性があります。

Q.制汗剤はいつのタイミングでつけるといいですか?

A.制汗剤は、汗をかく前の清潔な肌に使用するのがおすすめです。
制汗剤を使用する際はシャワー後や運動前、外出前に使用するようにしましょう。

参考
[1]日本医科大学|ワキガ(腋臭症)の治療〜ニオイの診断と手術~

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受付時間 10:30〜19:00 (完全予約制)

この施術ページの監修医師

医療法人優聖会最高顧問井畑 峰紀

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

医療法人優聖会最高顧問 井畑 峰紀

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

所属

平成15年
大阪医科大学 形成外科教室:入局
平成21年
大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
平成24年
医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
平成25年
某美容クリニック:院長就任
令和5年
プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る

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