ワキガは脇脱毛で改善する?
近年、多くの男性が脇の医療脱毛を行っていますが、その理由は見た目の改善だけではありません。
脇脱毛によって、脇の衛生状態が保ちやすくなるため、臭いに関する悩みが和らぐと感じる方もいます。
今回は、医師の視点からワキガの原因や、ワキ脱毛がどのように脇の清潔さを保つのに役立つのか、ワキガに対する治療法について解説していきます。
もくじ
ワキガとは?原因と臭いのメカニズム
ワキガは、脇から発生する特有の臭いの原因となる症状です。
これは、アポクリン汗腺から分泌される汗が、皮膚表面の常在菌によって分解されることで臭いが発生します。
ワキガの原因はなに?
ワキガの原因は、皮膚に存在する「アポクリン汗腺」から分泌される汗にあります。
この汗自体には強い臭いはないのですが、この汗に含まれる成分を皮膚表面の常在菌が分解する過程で特有の臭いが発生するのです。
脇毛があることによって、むれてしまい臭いを強めてしまう可能性もあるのです。
また、遺伝的要素もあります。
日本人など東アジア人種では、ワキガ体質の人の割合は約10〜15%程度と比較的低いですが、ワキガ体質は遺伝しやすく、両親の状況によって50〜80%の確率で子供に遺伝するとされています。
ワキガとアポクリン汗腺の関係
アポクリン汗腺は、エクリン汗腺(体温調節を行うための汗腺)とは異なり、脂質やタンパク質を含む汗を分泌します。
この汗が細菌に分解されることで臭いが発生します。アポクリン汗腺は脇や性器周辺に多く存在し、特にワキガ体質の方はこの汗腺が活発に働いていることがあります。
そのため、臭いも強くなりがちなのです。
脇の臭いが強くなる原因
脇の臭いが特に強くなる要因には、以下のようなものがあります。
・汗をかく頻度:暑い日や緊張する場面では、通常以上に汗をかくことがあり、それに伴って臭いも強くなることがあります。冬場も衣類によるムレのために臭いが発生することがあります。
・脇毛の存在:脇毛があると、汗が毛に留まることで、細菌が繁殖しやすくなります。これが臭いの発生を助長する原因の一つです。
・生活習慣:食事の内容やストレス、アルコール摂取なども臭いに影響を与えます。特に高脂肪な食事は、体臭を強めることがあります。
こんな方はワキガの可能性があります。
☑耳垢が湿っている
☑親のどちらかがワキガ
☑多毛である
☑黄色い汗ジミができる
☑肉食やにおいの強い食事が多い
脇脱毛によるワキガの改善効果:本当に臭いは軽減する?
ワキガに悩む方にとって、脇脱毛が臭いの軽減に役立つかどうかは気になる点です。
脇毛があると、汗が毛に留まりやすくなり、これが細菌の繁殖を助長することがあります。
脱毛をすることで、汗が毛に残りにくくなり、脇の衛生状態が向上するため、臭いの抑制につながる場合があります。
ただし、ワキ脱毛自体がワキガの治療効果を直接持つわけではありません。
脱毛はあくまで清潔に保ちやすくするため、間接的に臭いの軽減をサポートするものです。
ワキ脱毛と汗の分泌に与える影響
脇毛がなくなることで、汗が流れやすくなり、増えたように感じる人もいますが、基本的に脇脱毛によって汗の量自体が大きく変化することはありません。
脱毛後は清潔に保ちやすくなるため、ワキガ対策としても有効です。
レーザー脱毛の特徴とワキガに対する効果
レーザー脱毛は、毛根にレーザーを当てて毛の再生を抑える方法です。
レーザー照射が直接アポクリン汗腺に影響を与えることはありませんが、毛が減ることで汗が滞留しにくくなり、清潔さが保たれやすくなります。
その結果、衛生環境が保ちやすくなり、臭いが発生しにくくなるという考えが一般的です。
ワキガの治療を目的としたものではないため、治療効果を期待するものではありません。
また、アポクリン腺は毛包につながっています。
脱毛の結果毛包が萎縮し、時間経過とともにアポクリン腺自体にも与える影響もゼロとは言い切れないでしょう。
脱毛でワキガが悪化することはある?
「脱毛でワキガが悪化するのでは?」と不安に感じる方もいますが、医療脱毛でワキガが悪化することは基本的にありません。
照射後に一時的に汗が増えたように感じることはありますが、これは一時的なもので、脇毛が減ることで清潔に保ちやすくなるため、臭いも徐々に軽減されることが期待できます。
脱毛が完了すれば、毛の処理を行わなくても良くなるため、自己処理によって肌を傷つけてしまいばい菌が入ってしまうという心配もなくなります。
ワキガ治療の選択肢:どちらが効果的?
ワキガの治療には、脱毛以外にもさまざまな方法があります。
ここでは、ミラドライやボトックス注射といった人気の治療法と、脱毛との比較を見ていきます。
ミラドライと脱毛のどちらを選ぶべき?
ワキガの臭いや汗を根本的に改善したい方には、脱毛よりもミラドライが効果的と言えます。
ミラドライは、ワキガや多汗症の治療法で、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の両方に作用します。
切らずに行えるため、傷跡が残りにくいのが特徴です。
ワキガの臭いや汗を根本的に抑えたい方に向いています。
一方、ワキ脱毛は脇を清潔に保つことで臭いや汗の悪化を防ぐサポートをしますが、ワキガの根本的な改善を目指す治療法ではありません。
ミラドライなどの治療と組み合わせることで、さらなる効果が期待できることもあります。
肌の状態に合わせて、医師が適切な脱毛器と出力を選択します。
当クリニックの院長である安形医師及び最高顧問の井畑医師は、実績が認められ、ミラドライの認定医の称号を取得いたしました。
また独自の麻酔法で、安全で高い効果が期待できます。
ボトックス注射とミラドライ:ワキガ治療の効果
ボトックス注射は、発汗を抑える治療法で、汗腺の働きを一時的に70〜80%抑える効果があります。
臭いはあまり気にならないが、汗の量が多くて困っている方におすすめの治療法です。
持続期間は数カ月〜半年ですが、10分程度の施術で手軽に行える点が魅力です。
ミラドライは、アポクリン汗腺とエクリン汗腺の一部を永久的に減少させるため、より持続的な効果が期待できます。
臭いや汗を根本から抑えたい場合には、ミラドライが適しています。
施術後の注意点とワキガの再発リスク
ワキ脱毛やワキガ治療後に気をつけるべき点や、再発のリスクについても触れておきましょう。
ワキ脱毛後のアフターケア
ワキ脱毛後は、肌がデリケートな状態になっています。
脱毛後のアフターケアとしては、清潔を保ちつつ、刺激を避けることが重要です。
医療脱毛の場合、医師の指導に従って保湿ケアや紫外線対策をしっかり行いましょう。
ワキガの再発を防ぐには?
ワキ脱毛やワキガ治療後は、肌がデリケートな状態です。
清潔を保ち、刺激を避けることが重要です。
特に、脱毛後は保湿や紫外線対策をしっかり行い、肌を守りましょう。
ミラドライなどの治療後も、適切なケアを続けることで、効果を維持しやすくなります。
医師が推奨する日常できるワキガ対策
最後に、ワキガの治療以外に日常的にできる対策をいくつかご紹介します。
生活習慣の見直し
日常生活の改善も、ワキガの臭いを抑えるために有効です。
ストレスの軽減や適度な運動、バランスの良い食生活を心がけましょう。
食生活の見直し
脂肪や動物性タンパク質の多い食事は、体臭を強めることがあります。
野菜中心の食事を意識し、体内の代謝を促進することで、臭いを軽減する効果が期待できます。
強い匂いを発生させる食品として、ニンニク・タマネギ・ スパイシーな食品・アスパラガス・赤身肉・アルコールなどが挙げられます。
デオドラント用品の選び方
市販のデオドラント製品も、ワキガ対策として効果的です。
アルコールフリーで肌に優しいものを選ぶと、刺激を避けながら臭いを抑えることができます。
施術後も、デオドラントの使用を継続することで、効果的に臭いをコントロールできます。
まとめ
ワキ脱毛は、脇の清潔さを保ちやすくし、臭いの軽減をサポートする手段の一つです。
ただし、ワキガを根本的に治療する効果があるわけではなく、ミラドライやボトックス注射などの治療法と併用することで、さらなる改善が期待できます。
当クリニックでは、患者様の状態に合わせた最適な治療法を提案しています。ワキガや多汗症に悩んでいる方は、ぜひご相談ください。
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よくある質問(Q&A)
Q1. ワキ脱毛をすれば必ずワキガが改善されますか?
ワキ脱毛は、臭いの原因となる汗が毛に留まりにくくなるため、臭いが軽減されたと感じる方が多いようです。
しかし、ワキガの根本的な改善には至りません。
Q2. ミラドライは痛みがありますか?
施術中は局所麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。
局所麻酔が切れると、皮膚のつっぱりやズキズキ・ヒリヒリとした痛みがあります。
痛みのピークは施術の当日から翌日までが目安で、徐々に治っていくので心配ありません。
痛みを強く感じる場合は痛み止めの内服も可能です。
参考
https://www.medicalnewstoday.com/articles/173478
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/q05.html
https://consensus.app/results/?q=%E8%85%8B%E8%87%AD%E7%97%87&synthesize=on&copilot=on&lang=ja
https://jsprs.or.jp/general/disease/sonota/wakiga/
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受付時間 10:30〜19:00 (完全予約制)
この施術ページの監修医師
医療法人優聖会最高顧問井畑 峰紀
糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。

糸リフトやフィラー注入によるしわ・たるみ治療や、にきび治療などの美肌治療を中心とした美容医療に携わる、確かな実績を持つ医師。
所属
- 平成15年
- 大阪医科大学 形成外科教室:入局
- 平成21年
- 大阪医科大学 助教(准):就任
美容クリニック非常勤勤務:歴任
- 平成24年
- 医学博士学位取得
日本形成外科学会 専門医認定
- 平成25年
- 某美容クリニック:院長就任
- 令和5年
- プライベートスキンクリニック
最高顧問:就任 現在に至る
略歴
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery) 正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology 正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医