糸リフトの種類とは?特徴や人気の糸ランキングも紹介!


この記事でわかること
お顔のリフトアップ施術として人気の高い糸リフト(スレッドリフト)。
興味はあるしお試ししてみたいけれど、糸の種類が多すぎて、どの種類の糸を選ぶのがいいかわからないという方もいると思います。
糸リフトで使用される糸には複数の種類があり、それぞれで特徴が異なります。仕上がりにも差がでますので、どのような糸があるのか前もってチェックしておくと安心ですよね。
本日は、糸リフトの種類や特徴の比較と、糸を選ぶポイントについて解説します。当クリニックで使用している糸についての、効果や人気ランキングもご紹介しますので、ぜひご活用くださいね。
目次
糸リフトとは
糸リフトは、医療用の特殊な形状の糸を皮下組織に挿入して固定し、お肌を内側から引き上げる施術です。糸による物理的な引き上げ効果に加え、挿入した糸の刺激によってコラーゲンやエラスチンの生成が促されるため、お肌のツヤやハリ、弾力アップの美肌効果も期待できます。
頬や口元のたるみ、ほうれい線、マリオネットライン、フェイスラインのもたつきの改善、リフトアップ効果や小顔効果など、さまざまなお悩みを解消する若返り効果の高い施術です。

糸リフトの糸の種類
糸リフトで使用されている糸は、素材や形状、吸収性によっていくつか種類があり、糸によってリフトアップや引き締め、美肌効果などの施術効果や持続期間、仕上がりが異なります。
形状の違い
糸にトゲ(コグ)があるもの、ないものがあります。
主に糸リフトで使用されている糸は、トゲありの糸です。糸挿入時に皮下組織に引っ掛かり、強力な引き上げ効果が期待できます。
トゲがない糸は、糸の刺激でコラーゲンやエラスチンの生成を促す働きがあります。肌のハリやツヤの改善、引き締め効果があるため、美肌治療として使用されています。
溶ける糸・溶けない糸
糸リフトで使用される糸には、溶ける糸と溶けない糸があります。現在は、溶ける糸を使用しているクリニックが多いですが、一部のクリニックでは、PP(ポリプロピレン)や金を素材とした溶けない糸も使用されています。
溶ける糸は、挿入後一定期間ののちに少しずつ分解され吸収されるため、体内に残らずリスクが少ないメリットがあります。医療現場でも使用されており、安全性が高いのもポイントです。効果は素材によって異なり、半年~1年程度持続します。
一方、溶けない糸は、1~3年程度の持続期間と長く効果が続くのがメリットです。ただし、リフトアップ効果がなくなってもそのまま体内に残り続けるため、他の美容施術が受けにくくなったり、感染リスクが高い点がデメリットとなります。
糸の素材の違い
溶ける糸の素材として用いられているのは、主にPDOやPCL、PLLAの3種類となります。それぞれで、糸の硬さなどの特性に差があります。
ポリジオキサノン(PDO)
昔から外科手術の縫合用として使用されている、安全性の高い素材の糸です。リフトアップ効果だけでなく、脂肪萎縮効果もあるため、お顔の脂肪の引き締め作用も期待できます。硬すぎず柔らかすぎない糸であるため、さまざまな部位への使用が可能です。糸自体のリフトアップ効果は中程度ですが、メッシュ状にするなど糸の形状を工夫して引き上げ効果がとても高いテスリフトもあります。
ポリカプロラクトン(PCL)
PCLも医療現場で使用されている安全性の高い糸です。柔軟性が高くしなやかさがあるため、馴染みやすく引きつれが起きにくい糸です。リフトアップ効果が高く、目元や口元のような皮膚が薄くよく動かすパーツへの挿入にも適しています。
PLA/PLLA(ポリ乳酸)
合成ポリマーを原料とした糸です。硬い糸のため強度があり、引き上げる力が強く高いリフトアップ効果が得られます。頬からフェイスラインにかけての強いたるみにも有効です。先端が丸いので、ダウンタイムも比較的抑えられています。
当クリニックの糸リフトの種類と特徴
当クリニックでは、糸リフト用として、Gコグリフト、VOVリフト、アンカーX、テスリフトの4種類の糸を扱っています。いずれも、体内へ挿入後、自然に吸収される溶ける糸です。初めて糸リフトを受ける方でもお試ししやすい糸から、引き上げ力の強い糸まで、お悩みの症状とご希望に合った糸をお選びいただけます。
Gコグリフト

PCL(ポリカプロラクトン)を素材とした糸です。鉄条網型の特殊な形状であり、皮下組織を双方向に固定できるため、細いのに強い引き上げ力があります。柔らかく皮下組織との馴染みがよいため、ひきつれ感も少なく自然なリフトアップ効果が期待できます。
他の糸に比べて、比較的値段が安いため、若い方に人気です。初めて糸リフトに挑戦される方や、軽度のたるみ改善、たるみ予防、ハリやツヤなどの肌質改善効果を求める20代の方におすすめします。
持続期間:6~8カ月程度
価格:22,000円~
VOVリフト

PCL(ポリカプロラクトン)を素材とした糸です。太さが均一であり強度があるため、たるみをしっかりと引き上げてくれます。柔らかい素材でできており、コグの先端が丸いため、挿入時の痛みも軽減されます。
費用が安く、たるみの改善効果も優れているため、エイジングケアを始めたい30代におすすめの糸です。
持続期間:7~9カ月程度
価格:22,000円~
アンカーX

PDO(ポリジオキサノン)を素材とした特殊なX型のコグによって、強力なリフティング効果が期待できる糸です。皮下組織を引き上げるリフティングと、組織をしっかりと固定する力が優れています。PDOの脂肪萎縮効果により、引き締め効果も期待できます。ホーンと呼ばれるコグにより、線維芽細胞が刺激されて、コラーゲンやエラスチンの増生が促されます。引き上げ力が高いため、頬から口元、フェイスラインのたるみが気になる50代の方に人気の高い糸です。
持続期間:7~9カ月程度
価格:30,800円~
テスリフト

PDO(ポリジオキサノン)を素材とし、トゲ(コグ)と網目状の3Dメッシュが一体化している糸です。引き上げ力が高く、3Dメッシュ内に周辺組織が入り込むため、長期間リフトアップ効果が持続します。PDOの脂肪萎縮作用によって、小顔効果も期待できます。
たるみが強い方、ブルドッグ顔、頬の脂肪が気になる方、長持ちする糸を選びたい方におすすめです。引き上げ力だけでなく、脂肪の引き締め効果もあるため、40代以降の方に人気です。
持続期間:9~12カ月程度
価格:39,600円~
PSC 糸の種類別ランキング
糸の種類別にカウントした施術件数ランキングです。
1位:テスリフト:202本
2位:アンカーX:176本
3位:Gコグリフト:114本
4位:VOVリフト:94本
最も多くご利用いただいたのがテスリフトで、次いでアンカーXという順になりました。
いずれも費用的には高めとなりますが、効果を重視される方が多いという結果です。引き上げ力の高い糸が人気あります。
※当クリニックでの2024年度のランキングとなります。
PSC 年代別糸リフト件数ランキング
患者様の年代別の件数ランキングです。
40代、50代の方は、リフトアップ効果が高く脂肪引き締め効果も期待できる、アンカーXやテスリフトを多くご利用いただいています。アンカーXは引き上げ力が強く、50代の方に人気の高い糸です。テスリフトも、引き上げ力が高くさらに持続期間も長いため、40代以降のたるみ改善に特におすすめの糸です。
たるみが深刻化していない20代や30代の方は、GコグリフトやVOVリストを多く選択されています。VOVリフトは、費用と効果のバランスがとてもよいため、エイジングケアを始める30代の方に人気です。Gコグリフトは、比較的値段が安く、若い世代や糸リフトが初めての方にもおすすめです。
20代 | 30代 | 40代 | 50代 | |
Gコグリフト | 20本 | 30本 | 26本 | 38本 |
VOVリフト | 15本 | 46本 | 18本 | 15本 |
アンカーX | 0本 | 34本 | 58本 | 84本 |
テスリフト | 4本 | 42本 | 74本 | 82本 |
※当クリニックでの2024年度のランキングとなります。
糸の選びのポイント

糸選びは、お悩みに適した糸であるのはもちろん、持続期間やダウンタイム、費用も合せて、ご自身に合った糸の選択が大切です。事前に糸の特徴をチェックしたうえで、カウンセリングでお悩みについてじっくり医師に相談しましょう。
悩みに合っている糸を選ぶ
リフトアップ効果は糸によって異なります。たるみの引き上げ、小顔効果、美肌効果など、最も重要視したいお悩みについて正確に伝えることが大切です。糸の種類は数多くありますので、複数のメニューから選べるクリニックがおすすめです。糸の種類が事前にわからない場合は、問い合わせてみましょう。
当クリニックでは、扱っている糸についてホームページでご確認いただけますし、糸の種類を複数組み合わせた施術も可能であり、患者様のたるみの強さ、ご希望によって、適した糸での施術をご提案いたします。
持続期間のチェック
糸リフトの効果は、一般的に半年から1年間程度となります。糸の素材や形状などの条件で持続期間が変わります。引き上げ力は、糸の吸収とともに失われていきます。糸が残っている間は、糸の刺激による美肌効果が続きます。
効果や費用、持続期間も合わせて選びましょう。
ダウンタイムのチェック
糸リフトのダウンタイムは、2~3週間程度が目安となります。ダウンタイム中は、腫れや痛み、内出血、違和感などの症状が生じる可能性があります。糸の種類によって、多少違いがありますので、事前に確認しましょう。
クリニック選び
カウンセリングの丁寧さや患者様のご希望に合った提案をしてくれるかが最も重要視すべきポイントです。メリットだけでなく、デメリットも踏まえたうえでの糸の比較や説明、提案をしてくれるか、しっかり見極めましょう。
また、糸リフトは、医師の技術力によって仕上がりが左右される施術です。効果の高い糸を選んでも、すぐに元に戻ってしまうのであれば意味がありませんよね。糸の効果をしっかりと発揮させるために、症例が多く経験豊富な信頼できるクリニックを選びましょう。
まとめ
糸リフトの種類についてご紹介しました。糸リフトで使用されている糸は、種類によって効果や持続期間が異なります。求める効果や条件によって適した糸が変わりますので、糸リフトをご検討中の方は、事前に糸の特徴をチェックしておくと安心です。
当クリニックでは、患者様のお悩みとご希望に合った糸をご提案します。種類や本数など詳しくご説明いたしますので、不安な点やわからないことがあれば何でもご確認ください。
プライベートスキンクリニック(PSC)では、患者様一人ひとりに最適な施術プランをご提案いたします。
たるみでお悩みの方は、当クリニックへお気軽にご相談ください。
医師・スタッフ一同心より皆様のご来院をお待ちしております!
よくあるご質問
患者様からよくいただく質問をご紹介します。
糸リフトで一番良い糸は?
患者様の肌の状態やたるみの進行度、その他のご希望によって、適した糸が異なります。リフトアップや引き締め、肌質などの施術効果や、持続期間、費用などを比較して、目的に適した糸の選択が大切です。吸収糸または非吸収糸、素材、形状によって、効果と持続期間の異なる糸の種類が多くあります。
糸リフトのPDOとPCLの違いは何ですか?
PDO(ポリジオキサノン)とPCL(ポリカプロラクトン)は、糸リフトに使用される溶ける糸(吸収糸)の種類で、それぞれに異なった特徴があります。PDOは、リフトアップだけでなく肌の引き締め効果もあり、自然な仕上がりが得られる糸です。PCLは、柔軟性に優れた素材で、表情の動きがある部分にも馴染みやすい特徴があります。リフトアップ効果が高いのもポイントです。いずれも医療用として使用されている安全性の高い糸です。
糸リフトに使用される糸の種類は?
糸の種類によって素材と形状が違うため、リフトアップ効果や持続期間、仕上がりが異なります。目的に応じて適切な糸を選ぶことが大切です。
糸リフトで主に使用されている吸収糸は、PDOやPCL、PLLAを素材としています。非吸収糸には、PPや金糸があります。吸収糸は体内で溶けるため安全性が高く、非吸収糸は長期間効果が持続します。 コグの有無、メッシュタイプなど形状も糸によってさまざまです。
美容外科・ 美容皮膚科 |
西梅田駅から徒歩2分 プライベートスキンクリニック |
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所在地 | 〒530-0002 大阪府大阪市北区曽根崎新地1-3-16 京富ビル2階 |
診察時間 | [ 完全予約制 ] 10:30~19:00 |
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DOCTOR.
このページの監修医師
資格
- 一般社団法人日本形成外科学会 形成外科専門医
- 特定非営利活動法人日本レーザー医学会 認定医
- 一般社団法人国際抗老化再生医療学会 正会員
- 一般社団法人 日本美容外科学会 JSAPS(Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)正会員
- 一般社団法人日本美容皮膚科学会(Japanese Society of Aesthetic Dermatology)正会員
- 一般社団法人日本頭蓋顎顔面外科学会 正会員
- アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
- アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
- Miramar Labs社(ミラドライ開発社)ミラドライ認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボルベラXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボラックスXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボライトXC認定医
- ジュビダームビスタ®ウルトラXC/ウルトラプラスXC認定医
- ボトックスビスタ認定医
- レスチレン認定医
経歴
平成15年 | 大阪医科大学 形成外科教室:入局 |
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平成21年 | 大阪医科大学 助教(准):就任 |
平成24年 | 医学博士学位取得 |
平成25年 | 某美容クリニック:院長就任 |
令和5年 | プライベートスキンクリニック |
学会発表
- 第67回日本形成外科学会総会・学術集会(2024年4月10日~12日)
- 額(おでこ)へのヒアルロン酸注入による輪郭形成の134症例 -使用量についての経験及び検討-
- 最新型医療ハイフ(ウルトラフォーマー®MPT)の77症例における経験及び安全性についての考察
- 第42回日本美容皮膚科学会総会(2024年8月31日~9月10日)
- PRPを用いた複合治療におけるざ瘡後瘢痕と毛穴開きの治療の当クリニックでの経験について